排出権取引とマーケットメカニズム(市場原理)
地球温暖化ガスの削減は、
全世界的に重大な問題といえるでしょう。
誰もが、「二酸化炭素などの温暖化ガスを減らすべきだ!」
とは頭の中では理解しています。
つまり、「理性ではわかっている」という状態ですね。
しかし、いざCO2(二酸化炭素)などの温暖化ガスを
出さないように生活しよう、という「いかに実践するか?」
といった、自身に苦痛と忍耐をもたらす行為に話が
うつったとたん、人々は「思考停止」に陥ります。
「自分ひとりが懸命にそんな努力をしたところで、
他のみんなが同じように努力してくれなければ、
意味ないじゃん」
そう考えるのが人情ですね。
問題は、そのまま放置していくと、
「本当にヤバイ状態にならないと、個々人が
動き出さないだろう」という漠然とした
不安がある、ということです。
そこで、
「地球環境を守るために、○○しよう!」
みたいな、個人ではない社会的な公共の利益を
守るために、個人に忍耐を強いる方法を考える
必要があります。
【命題】地球温暖化ガスを減らしたい
ポイント=各人に○○%ずつ削減させるか?
または全体として%削減するようにするか?
いま、ざっと思い浮かんだ範囲でいくと、
次のような方法が、国の立場では考えられますね。
方策1 法律を作って守らせる。
方策2 キャンペーンを展開し、モラルに訴える。
方策3 補助金を出す。
方策4 税金を課する。
方策5 温暖化ガスの排出に権利料を設定して、
コストをかけさせる。
また、権利の売買をさせる。
つまり、
1.法律による個別強制
2.お願い
3.援助
4.課税による懲罰
5.商品化
といったやり方で、国民に望む行動を
とらせることが可能になります。
以上の1,3,4は「アメとムチ」による
行動促進です。
直接的ですが、国を超えた全世界的なこころみを
しようとした時に、どうしても足並みがそろわず、
地球規模で効率よく成果を挙げられるかどうかは
判らない部分があります。
なお、2.は、道徳的には一番望ましい試みですが、
そのキャンペーンの運営コストはどこが負担するか、
という問題を解決するのに、非常に手間がかかりますし、
キャンペーンを展開しても、ある種のボランティアに
依存する部分があるので、効果のほどは未知数です。
そこで、逆説的ではありますが、
「CO2を排出してもいい権利」というものを商品化し、
各国に割り当てた目標以上に排出量を削減した国・企業
に、その分の努力を他の「達成できなかった国」に
権利としてゆずって、金銭的インセンティブを
あたえよう、というのが、京都メカニズムの
中心的な制度である「排出権取引」の趣旨なのですね。
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