グループ会社の経理を一括管理するメリット
製造業を例に取ると、会社の業務には、だいたい次の4つがあります。
1.製造業務 2.販売業務 3.開発業務 4.管理業務
ちなみに、サービス業、卸売業、小売業などの業種は、
上記のうち「2.販売業務 4.管理業務」の2つが主な柱です。
この中でも、製造・販売・開発といった活動は、おおむね、
いずれも企業の独自性を発揮することができる余地が多いですね。
製造業務における生産システム、設計技術などは、
会社によって違いを出すべきところで、門外不出の社外秘です。
また、販売業務における営業システム、顧客リスト、
宣伝戦略なども、その会社の個性が色濃く出ます。
研究開発などは、まさに他社との差別化をもっともしなければならないところです。
このように、製造・販売・開発などの業務は、そのコアとなる
部分の重要業務を外部委託することはできません。
しかし、管理業務は、メインが経理・人事といった、どの会社で行っても、
やることはほとんど共通している作業なので、ここについては、
外部委託が非常に多くおこなわれています。
そして、上場企業などでは、子会社が何十社もあったりして、
各子会社で経理・人事担当者と経理・人事システム投資を
行っていたりするので、経費や投資資金の重複投下が時として
経営資源を必要以上に費やしてしまうことになりかねません。
たとえば、A社を親会社として、
下記のようにB,C,Dの子会社ともども、年商100億円規模の
4つのグループ会社があったとします。
A社B/S B社B/S C社B/S D社B/S
――――――― ――――――― ――――――― ―――――――
現金8| 現金2| 現金3| 現金4|
: | : | : | : |
それぞれ、個別に決算書を持っているのですが、
各社にそれぞれ5人ずつ以上の経理担当者がいたとしましょう。
そして、A社が、子会社をそれぞれM&Aなどで買収しているので、
導入している会計システムがまったく違うものであるとしたらどうでしょう。
5社合計で、20人もの経理担当者を抱え、
それぞれの会社で違うシステムを使って決算を組んでいることになります。
(汎用の会計ソフトなら、弥生会計を使っている会社があったり、
勘定奉行を使っている会社があったりと、グループ内で処理方法が不統一、
というイメージです。)
この場合、親会社の会計方針に会計方法を統一したり、勘定科目を
整合させたりするのが、20人の経理担当者で全て意思統一を
はかる労力、およびシステム上の手直しを各社個別に行ったり
するなどの理由で、たいへん面倒となります。コストもかかります。
そこで、経理業務を一括で行う管理専門の会社を作り、そこに
7-8名程度の経理専門部隊を配置し、グループ4社の経理業務を
完全にそこに委託してしまう、ということを行えば、経理業務に
かかる人件費・システム投資維持費用・関連諸雑費がそうとう浮くはずです。
さらに、連結決算もやりやすくなり、決算がスピードアップするのは目に見えています。
このように、経理業務に代表される管理業務は、標準化しやすい
ので、グループ内でそれを専門に行う担当会社を決めるか
新設するかして、業務の一括管理を行う、という経営改革は、
その後の業務効率化、経費削減の観点からは、非常に有効ですね。
そういった意味で、次のケーススタディーで取り上げる
セブン&アイの取り組みは、注目に値すると思います。
Powered by
Movable Type 3.33-ja