企業結合会計と、研究開発費部分の費用処理
まずは、企業結合という取引についての定義です。
「ある企業が
1つもしくは2つ以上の他の会社を合併もしくは営業の譲受をするか、
またはある企業が他の企業の純資産および営業に対する支配を獲得
することによって、
個々の企業を単一の経済的実体に統合することである。」
(財務会計 広瀬義州著 中央経済社P585より)
このように、ある企業が、他の企業等を吸収するか支配するかに
よって、一つの企業グループにまとめることを、企業結合というのです。
そして、このような企業結合取引について、包括的に会計処理の
ルールを規定したものが、「企業結合会計」なのですね。
企業結合会計の守備範囲は、合併や連結に及びます。
そして、その中で一番重要なのは、「パーチェス法」という会計処理方法です。
パーチェス法とは、いっぽうの会社が、他方の会社を時価で評価し、
買収することを想定した合併などの会計処理法です。
消滅会社(合併される会社等)の純資産(資産-負債)は、
時価ベースで評価されます。
この消滅会社の時価純資産が、買い受ける消滅会社の現時点に
おける事業価値なのですが、それに加え、見えないノウハウなど
の無形価値を評価し、さらに割り増しで買収対価を支払う場合などは、
その「支払対価-消滅会社の純資産」の残高は、のれんとして処理されます。
※計算例:A社は、B社(諸資産700万円、諸負債400万円)を買収し、
現金350万円を支払った。
買収前のA社B/S 買収前のB社B/S
――――――――――― 買収! ―――――――――――
現 金 800|資本金 800 ←←←←← 諸資産 700|諸負債 400
| 純資産300 |純資産 300
――| ―― ――| ――
計 800| 計 800 計 700| 計 700
==| == ==| ==
→→→→→→→ ●
↓ 現金▲350をB社 ▲
↓ の所有者に支払
買収後のA社B/S
―――――――――――
現 金 450|諸負債 400
諸資産 700|資本金 800
のれん 50| ※のれん:買収対価350-純資産300
――| ――
計 1200| 計 1200
==| ==
と、このように、買収で支払った代金の方が、受け入れた純資産よりも
多い額は、割り増し部分ということで、「のれん」として処理されるのが
原則です。
ただし、次のエーザイのケースのように、その超過支払部分の中に、
消滅企業の研究開発費部分がある場合、それは本来費用処理される
ので、超過支払部分のうち研究開発費に相当する額は、支出時の費用
となります(企業結合に係る会計基準三2(3))。
以上、企業結合会計は、M&A時代の今となっては、非常に重要な
会計ルールなので、この機会に、本メルマガの内容だけでも、
知っておきたいところですね。
■参考■企業結合など、新しい会計基準の解説CD
中級現代会計→ http://bokikaikei.net/2007/01/post_319.html
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