シンガポール取材旅行
このメルマガがみなさんの手元に届いている5/25は、私、山本は香港に来ています。
そして昨日まではシンガポールにいました。
最近、東京はアジアの金融センターとしての地位を、シンガポールや香港に奪われてい
っています。香港には過去に何度も行ったことがあったのですが、実はこの山本、シン
ガポールを訪問したことがなかったのです。
そこで、シンガポールと香港を同時に見て、その変貌振りを確認してみよう!
ということで、シンガポール、香港を訪問した、というわけなのです。
取材の結果は、今後このメルマガで報告していくとして、今日はその前振り!というこ
とで、「シンガポールと香港ってこんなところ!」を、データを基にお伝えいたします。
それではまずはシンガポールから。シンガポールは正式には「シンガポール共和国」と
いい、面積は697k㎡で、東京23区をやや上回る規模の小さな国です。人口は4,185千人
(2003年6月末時点)、公用語は英語、中国語(北京語)、マレー語、タミル語と4ヵ国
語もあり、宗教も仏教、イスラム教、ヒンズー教、道教、キリスト教などさまざまな、
本当にいろんな民族の住む複合国家なのです。
実質GDP成長率が7.9%(2006年)、消費者物価上昇率が1.0%(2006年)と経済的にも
順調です。
ちなみに、外国企業は原則土地を所有することはできません。シンガポールでは、国土
は国家所有が原則なのです。だから、工業を建設するときには、30~60年のリース契約
に基づいて土地を確保し、そこに工場を建設することになります。
シンガポールの魅力のひとつに、税制があります。法人所得税の税率は18%で、シンガ
ポールの中で行われた経済活動による収益のみが課税の対象となっています。
だから、シンガポールの国外で発生した所得は課税されません。さらに、国外の法人
税の最高税率が15%以上である場合には、シンガポールに送金される配当金、国外支店
の所得、国外源泉のサービス収入はすべて免税となっているのです。
また、個人所得税も同様の考え方で、シンガポールに住んでいる、住んでいないにかか
わらず、シンガポールで発生した所得に対してのみ課税されます。最高税率も21%と日
本の所得税の最高税率40%(地方税も入れると50%)から比べると夢のようですよね。
ちなみに、日本の消費税に相当する財・サービス税の税率は5%です。
それでは今度は香港を見てみましょう。香港は正式には「中華人民共和国香港特別行政
区」といい、面積は1,104k㎡で、シンガポールの2倍近い広さです。人口は6,978千人
(2005年6月末時点)、公用語は中国語(北京語、繁体字)と英語、宗教は仏教、道教、
キリスト教などと、シンガポールに比べると中国系の色合いの強い国家です。
実質GDP成長率が6.9%(2006年)、消費者物価上昇率が2.0%(2006年)と香港も経済
的には順調です。
香港も、土地はすべてが政府所有なので、土地を所有することはできません。
香港も魅力的な税制を持っています。香港も、香港の中で行われた経済活動のみが課税
の対象で、株式の配当やキャピタル・ゲインは課税の対象外となっています。法人税率
は16.5%とシンガポールよりもさらに低く、日本の消費税に相当するような付加価値税
もありません。
シンガポールと香港は、金融や税制で互いに競い合ってその魅力を増やしてきました。
一方がATMの手数料を無料にすれば他方も無料にする。一方が預金の利息の源泉徴収
制度を廃止すれば他方も廃止する。税率も競い合って低くし、どちらもがアジアにおけ
るスイスを目指して競争しています。
これに対してわが日本に目を向ければ、銀行はなんだかんだ理由をつけて手数料を取り、
おまけに外国為替や国際金融の知識を持っている行員は皆無。法人税率や所得税率も世
界でトップレベルの高さ。これでは、金融センターとしての地位をシンガポールや香港
に奪われてしまいますよね。
日本は、欧米からすれば、世界の東の端に位置する極東ですが、今や地理だけではなく
金融の世界でも極東に成り下がろうとしているのです。
今回の取材旅行で、肌で感じたことを、来週以降に報告していきますのでお楽しみに!
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