30年後の日本、ますます高齢者の割合が増加
物価の上昇とは?
2008年05月14日
物の値段や、いろいろな商品・サービスの平均的な価格のことを「物価」といいます。
「去年と比べて今年は物の値段が上昇したな~」などと感じた場合には、
「物価が上昇した」という言い方をしますね。
なお、どんな場面であれ、物価が上昇したという事実を指して「インフレ」というような
表現をすることがありますが、正確には、インフレ(インフレーション)とは、
「継続的な一般物価水準の上昇」をいいます。
一年くらい、たまたま物価水準が上がったからといって、厳密には「インフレ」とは
言わないのですね。
インフレは物の値段が継続的に上昇することですから、昔100円で変えたものが、
今は100円では買えなくなり、110円とか120円とか、より多くのお金を
必要とする状態なので、私たち消費者にとっては、賃金が同じくらいの比率で
上昇してくれないと、困ってしまいますよね。
さて、ここで、インフレが起きやすい原因について、ざっくりと考えてみましょう。
たとえば、国の金融政策(金利や貨幣の供給量を調整したりして、
自国貨幣の信用を維持するための経済政策)を行う日本銀行が、
お札を大量に印刷し、市場でたくさん流通させたとしましょう。
貨幣(現金と一定の預金の合計)の流通量を「マネーサプライ」というのですが、
このマネーサプライが増えれば、それだけ人々は多くの現金を持つことになります。
ここからは、人情として考えてみればわかるのですが、財布の中にいつも5千円しか
入っていなかったときよりも、財布の中に5万円入っているときの方が、
気分がよくなって、なにかのきっかけですぐにものを買いたくなりますよね。
つまり、人は、「たくさんのお金を持つと、使いたくなる」のです(笑)。
お金を使って物を買いたくなる欲求のことを、需要というのですね。
需要が増える、ということは、モノを買いたくなる欲求が膨らんでいる、
ということに等しいのです。
言われてみればあたりまえなのですが、その「あたりまえ」が、経済を考える上では、
非常に重要になってきます。
需要が増大し、ものを買うという行為(消費行為。または、企業が設備や在庫を
購入する場合は投資行為。)が活発になれは、それにより企業の売上が増えますので、
景気は良くなります。
景気は、GDP(国内総生産)という指標ではかることができるのでした。
なお、需要が増えるということは、「ある財・サービスの買い手が増える」
ということなので、その財・サービス(商品ですね)は、高くても売れるように
なるので、値段が上がってきます。
つまり、「需要が増え、買い手の数が増えたら、物の値段は高くなる。」ということです。
それでは、ここまでのひとつの経済パターンをおさらいしましょう。
貨幣供給量が増える → 需要が高まる → 景気が良くなる → 物価が上がる
※その時々の事情によって、このシナリオどおりに行かないこともあります。
このように、人々の「物が買いたい!」という欲求(=需要)が高まることによって、
景気に引っ張られるようにして物価が継続的に上昇していく現象を、
「ディマンド・ブル・インフレーション」といいます。
ディマンド(Demand)は、需要の意味です。
このような形のインフレは、まだ、景気が上向いていることの副次効果として生じるので、
どちらかというと「良いインフレ」のように表現されることがあります。
なお、需要を引き金とするインフレのほか、コストアップを原因としてインフレが
起きることもあります。
企業の立場でいうと、原材料や賃金や燃料費が高騰すると、生産コストが増大するので、
やがてはその負担を販売価格に転嫁(てんか=移しかえること)しなければ、
存続できなくなってしまいますね。
企業側(商品・サービスの供給側)のコストアップが原因でインフレが発生するので、
このような場合のインフレをコスト・プッシュ・インフレーションといいます。
1973年のオイルショックや、最近の資源高など、輸入品が高騰したことを原因とする
コスト・プッシュ型のインフレーションを、特に「輸入インフレーション」と
呼ぶこともあります。コスト高が原因となるインフレは、必ずしも好景気を
伴うわけではないので、時として悪いインフレとも言われています。
・発生原因によるインフレの分類
1)ディマンド・プル・インフレーション…需要増加によるインフレ
2)コスト・プッシュ・インフレーション…原価高騰によるインフレ
さて、経済が発展過程にある場合、インフレも軽いものならば、むしろ好景気を
背景に投資を促進することがあります。
また、同じ販売量でも、物価が上がればこれまで以上のお金が入りますが、一方で、
返済するべき借金の額はインフレであろうと従来のままなので、借入れ負担は
実質的に軽くなり、事業を拡大したい債務者側にとって有利な面があります。
したがって、たとえば2%程度のゆるやかなインフレを政策目標にする、
という金融政策のやり方もあるのですね(インフレ・ターゲット論)。
イギリスなどが、インフレ・ターゲット政策の典型例といえます。
ポールソン米財務長官
2008年04月30日
G7が終わりました。
共同声明の内容を見てみると、金融システム安定に向けた監督体制や
金融機関のリスク管理・情報開示の強化などで迅速な対応を求め、
最近の為替相場の急激な変動に対して「懸念」を表明しているものの、
焦点となっていた金融機関への公的資金投入に対する言及は見送られました。
また、最近のドル安やユーロ高についての懸念も声明文に盛り込まれず、
G7後の会見でポールソン米財務長官が
「われわれの強いドルへのコミットメントを、強い調子で再度述べる」と
「強いドル」への支持をあらためて強調するにとどまりました。
この内容から見ると、金融不安は依然として尾を引き、
ドル安の流れは継続だと考えます。
来週は再び100円を割れて、安値トライに入ると考えています。
2008/4/13
GDPの基礎知識
2008年04月22日
GDP(Gross Domestic Production)という言葉を聞いたことがある人も多いと思います。
GDPとは、国内総生産とも呼ばれているものです。
簡単にいうと、一定期間において、日本国内で生み出された付加価値の総額です。
付加価値の基本は、おおざっぱに言えば、「買ってきた材料費と売価の差額」です。
たとえば、パン屋さんを考えてみると、原料の小麦粉などを購入するために
2,000円かかったとして、その原料をつかってパンを製造し、6,000円の売上を上げた
としましょう。
その場合、売上高6,000円-原材料費2,000円=4,000円の付加価値が、
「パンの製造から販売までの過程で、パン屋さんによって新たに生み出された!」
と考えるのですね。
そして、その付加価値4,000円の中から、人件費・光熱費・賃借料などの諸経費を支払うのです。
ポイント1 売上高マイナス原材料が、付加価値計算の基本コンセプト。
ポイント2 付加価値が源泉となり、人件費・光熱費・賃借料などに分配される。
つまり、「2008年における、『日本の国内』で一年間で生み出した価値」というのが
GDPという指標のイメージでありまして、日本の内需がどれくらいあるか、という
経済規模のもっとも代表的なめやすとも考えられます。
最近の国別GDPを比較については、会員CDセミナー5/10号で解説いたしますね。
日本の所得格差ってどのくらい?
2008年04月11日
所得格差という言葉を、いろいろなところで見たり聞いたりするようになりました。
昔は「1億総中流社会」などといわれていたものですが、今は、
「中流があまりいなくて、上流と下流に分かれた?」って印象が強いですよね。
では、日本の所得格差は、国際的に見てどれくらい大きいものなのか、
それから過去からの推移で、本当に格差が大きくなっているのか、について
みていきましょう。
このような所得格差の問題を論じるときには、「ジニ係数」という指標が
非常に有効です。
次に、総務省・統計局による「平成16年全国消費実態調査 各種係数、
所得分布に関する結果速報」から、ジニ係数の国際比較に関するデータを拾ってみました。
ジニ係数とは、「所得が完全に平等に分配されている」場合に比べて、どれだけ所得の分配が偏っているかを数値で示したものです。
例えば、「所得の格差がまったくない平等なグループ」では、ジニ係数は0になります。
いっぽう、「一つの世帯だけがすべての所得を独占する完全に不平等なグループ」では、ジニ係数は1に近づきます。
ちなみに、一説によると、市場経済も含めて、おおまかなジニ係数のめやすとしては0.2~0.4程度が一般的のようです。0.5を超えるようだと、格差の激しさが許容範囲を超えるため、政策による格差の緩和が必要となる、との見解もあります。
★さらに詳しい柴山の解説は、会員制CDセミナー5月10日号でお届けします。
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円高、円安の基礎知識
2008年04月04日
今回は、「いまさら聞けない、為替相場の入門知識」を取り上げます。
円高、円安というのは、変動相場制を前提としたときに出てくる話ですね。
たとえば、海外の商品を買うために、
アメリカの通過で10ドルが必要になったとしましょう。
去年ならば、だいたい1ドルを買うのに110円くらい必要でしたから、
10ドル×110円=1100円の日本円を用意することになったはずです。
これが、今年に入って1ドルの値段が100円に変動したならば、
10ドル×100円=1000円の日本円で買い物ができることになります。
この場合、「1ドル=110円から100円への変化」を、
「10円、円高になった(円の価値がドルとの関係で高まった)」というわけですね。
このように、海外のものを購入する局面では、円高は歓迎すべきことです。
●輸入品が割安になります。
つぎに、日本の製品・商品を輸出している会社はどうでしょう。
今、2万ドルで自動車を輸出している会社があるとすると、
去年の為替相場が1ドル=110円だったら、自動車を海外に販売し、
2万ドルを受け取って、それを銀行で円に両替してもらう、
という手順を踏むことになります。
すると、銀行で2万ドルを@110円のレートで円に換えてくれると
するならば、2万ドル×110円=220万円の売上がたちます。
しかし、今年に入って、1ドル100円に相場が変動したとすると、
ドルが相対的に弱くなっていますので、売上代金をドルでもらうのは、
去年よりも不利な状況になります。
つまり、自動車を海外に販売し、2万ドルを受け取ってそれを銀行で円転すると、
2万ドル×100円=200万円と、なんと20万円もの値引き販売を
強いられて事と同じ現象が起こってしまいます。
トヨタなどの超大手企業になると、為替が1円動いただけで、
100億円規模の損益の影響があると考えられますので、海外取引きが
大きい会社ほど、為替相場の動きは、経営かく乱要因として、
無視できなくなるわけですね。
売買と仲介のビジネスモデル比較
2008年03月26日
ある商品を売りたい!と考えた場合、売買の形態をとるのか、仲介の形態をとるのか?で、
会社の組織構成だけでなく、財務諸表の内容まで変わってきます。
たとえば不動産。
自前でマンション一室を取得し、これにリフォームをかけてから高く売る…(売買形態のビジネス)
マンションを売りたい人を見つけて販売の依頼を受け、購入希望者を募り、
買い手が見つかったら、両者を引き合わせて手数料をもらう…(仲介形態のビジネス)
また、インターネット業界では、ここ数年で非常に話題になってきている「アフィリエイト」
かんんたんにいうと、「自分が運営するホームページ・ブログ・メルマガ」に広告を貼り付け、
リンク先の広告主の販売につなげるというビジネス形態です。
これは、完全に仲介の形です。
いわゆる「マッチングビジネス」の典型例となりました。
マッチングビジネスのいいところは、「在庫を持たなくても良い」、
「自社内に、商品製造のノウハウや設備を持たなくても良い」といった点です。
これは、バランスシート上でいうと、「棚卸資産がない」
「固定資産がない」ということを意味しますね。
そして、棚卸資産と固定資産をほとんど必要としないならば、
必然的に『資金調達の悩み』は、一般事業主とは比較にならないくらい小さいです。
だから、「サラリーマンの副業」や、「主婦の生活費稼ぎ」として、
アフィリエイトが非常に発達したのです。
A8ネットという、有名なアフィリエイト・サービス提供会社があるのですが、
2年前、私が一時期広告主としてお世話になった時点で、すでに20万人弱くらいの
アフィリエイター登録があったように記憶しています。
ただ、仲介ビジネスにも、いいところばかりあるわけではありません。
販売業者は、「買い手だけ」を探せばいいわけですが、仲介業者は、
「売り手」と「買い手」の両方を探さなければならないので、どうやって参加者を募るか、
という点での企画力が非常に大きく問われるわけです。
(A8ネットは、仲介者にとっての売り手探しをサポートする、という面でも、非常に機能しました。)
あと、仲介手数料は、常識的に数パーセントでしょうから、一回の取引で得られる粗利は、
基本的に販売業者よりも少なく、「苦労の割には、利益が薄いんだよな~」なんて
いう状況になる可能性も否定できません。
結局、仲介ビジネスは、在庫や設備を販売業者ほど必要としないので、
起業はしやすいですが、規模拡大の局面で、相当の企画力が必要とされる、ということです。
要は、自身の選んだ事業領域、手持の資金量、将来、どのような成長を望んでいるか、
などの総合的な判断から、どのようなビジネスモデルを選択するべきか、
をしっかりと現実的に考えることが大事なのですね。
国の借金、838兆円に…
2008年03月06日
2008年2月25日、財務省は、「国債及び借入金並びに政府保証
債務現在高」というタイトルで、国の借金と債務保証残高を
発表しました。
国の借金は、けっきょく、まわりまわって国民の税負担分から
返済されることになるのですから、私たち国民の立場でも
注目したいテーマですね。
その時の発表内容のポイントです。
1.2007年12月末時点における国の借金…838兆0050億円
2.直前四半期(2007年9月末時点)比増減…4兆3068億円
3.借金の内訳:国 債678兆6416億円、
借 入 金 57兆366億円、
政府短期証券102兆3269億円
4.国民一人当たりになおすと、656万円となる。
※関連サイト http://www.mof.go.jp/gbb/1912.htm
このように、直前四半期に比べ、わずか3ヶ月で4兆円以上も
借金が増加しました。
その最も大きな原因が、普通国債の増加額が3兆9千億円にも
のぼったことにあります。
借金の平均金利を、10年もの国債の水準=約1.5%と
同じと仮定すると、国債の利払いだけでも、
838兆円×0.015=12.57兆円/年
もの負担が生じるわけなんです~。
つまり、「毎月、1兆円ずつ、金利を支払わなければ~!!」
という状態をご想像下さい。
…想像に難いですね、思いっきり。
一日に換算すると、約300億円が利息で消えていく…
「おい!俺たちが今日一日ボーっとしているだけで、
日本から300億円が消えているらしいぞ!」
「なるほど!
じゃあ、いま、おまえが一秒息をした瞬間に、
34万円が国の利息で消えて言ったな…」
※300億円÷86400秒(一日)=347,222円/秒
こんな状態でしょうか。
300億円といえば、東証一部に上場している企業で、
これくらいの年商の会社があっても、おかしくないです。
財務省をはじめ、お国が金利を上げたがらない真の
理由は、案外こんなところにかも(爆笑)。
ちなみに、米国債のように、3%から4%程度の
金利で利払いを考えたら、ゾッとしますよね。
利払いが今の2倍以上になったら、
国の財政がさらに厳しくなることが見えています。
「金利を上げられない原因」が、
意外なところにあるような気がしてきました。
日本国の借金、これからどうなるのか、
注目していかざるを得ないですね。
FF金利ってどんな金利?
2008年03月06日
日経新聞2008年2月16日(土)の7面を見ると、米国連邦準備理事会(FRB ; Federal Reserve Board)のバーナンキ議長は14日、上院銀行委員会で、経済見通しが悪化しているとの認識を示しました。
これに関連して、現在3%の政策金利(FF金利)をさらに追加で利下げする可能性を示唆した、と報じられています。
なお、FF金利の「FF」は、「フェデラル・ファンド」の略です。
ここでワンポイント知識です。
アメリカの連邦準備加盟銀行は、中央銀行である連邦準備銀行に預金残高の一定割合を預け入れることが義務付けられています。
もしも資金額が不足している時などには、余裕のある銀行から短期市場で資金調達しますが、そのさいにかかる金利のことをフェデラル・ファンド金利(FF金利・FFレート)というのです。
日本におけるコール市場の金利に相当するものですね。
景気が悪くなってくると、資金需要は弱まりますから、資金がだぶつきやすくなり、FF金利は下がりやすくなります。
反対に、景気が良くなって資金需要が旺盛になってくると、資金が足りなくなりFF金利は上がる傾向にあるのです。
連邦準備銀行の連邦準備制度理事会(FRB)は、FF金利の目標を誘導することで金融市場における資金の需給調節を行います。
米国のFF金利は、同時多発テロ後の2003年には、1.0%になりましたが、その後回復し、2006年6月に5.25%まで戻りました。
しかし、サブプライム問題で、2007年9月に0.5%引き下げられてからは、たびたびFF金利が追加で引き下げられ、現在では3%の水準になっているのです。
金利政策のいかんで、日本経済に影響を及ぼすアメリカ経済の行く末も変わってきます。今後、注目していきたいところですね。
W・バフェット氏のモノライン再保証は、救済になるか?
2008年02月22日
2月13日にダウ・ジョーンズが報じたところによると、著名投資家のウォーレン・バフェット氏が、12日、
金融保証会社(モノライン)3社に対して、再保証による支援策を提案したとのことです。
具体的には、同氏が率いる米投資会社バークシャー・ハザウェイが、米地方債8千億ドル相当の再保証を行う、というものです。
8千億ドルといえば、1ドル107円で換算すると、約85兆円ですね。
日本の税収を全部合わせても、せいぜい50兆円台ですから、その額のすごさがわかります。
実は、バフェット氏の再保証提案に関する発表があった直後は、株価が急上昇したそうです。
すごく大雑把に行くと、「サブプライム問題に関する救済の動きがこのあと加速するかも!」という期待感から、投資家心理が好転したのかもしれません。
しかし、この提案の中身をよくよく検討すると、かならずしも今後のマクロ経済への影響としては、楽観視できる状況ではなさそうです。
それは、バフェット氏の再保証対象となっているのが、モノライン全体というわけではなく、その中でも
優良とされる米地方債に対しての再保証である、ということが原因になっています。
もともと、バフェット氏は、投資家として超一流の方なのですが、そのような方が、質の悪い資産に投資
するというのは、経済合理性の観点から言って考えにくいですからね。
したがって、ダウ・ジョーンズやロイターなどの論調を見ても、今回の再保証は、バフェット氏固有のビジネスメリットの方が大きく、モノライン救済には、程遠い結果が待っているといった雰囲気を感じるのですね。
排出権取引とマーケットメカニズム(市場原理)
2008年02月08日
地球温暖化ガスの削減は、
全世界的に重大な問題といえるでしょう。
誰もが、「二酸化炭素などの温暖化ガスを減らすべきだ!」
とは頭の中では理解しています。
つまり、「理性ではわかっている」という状態ですね。
しかし、いざCO2(二酸化炭素)などの温暖化ガスを
出さないように生活しよう、という「いかに実践するか?」
といった、自身に苦痛と忍耐をもたらす行為に話が
うつったとたん、人々は「思考停止」に陥ります。
「自分ひとりが懸命にそんな努力をしたところで、
他のみんなが同じように努力してくれなければ、
意味ないじゃん」
そう考えるのが人情ですね。
問題は、そのまま放置していくと、
「本当にヤバイ状態にならないと、個々人が
動き出さないだろう」という漠然とした
不安がある、ということです。
そこで、
「地球環境を守るために、○○しよう!」
みたいな、個人ではない社会的な公共の利益を
守るために、個人に忍耐を強いる方法を考える
必要があります。
【命題】地球温暖化ガスを減らしたい
ポイント=各人に○○%ずつ削減させるか?
または全体として%削減するようにするか?
いま、ざっと思い浮かんだ範囲でいくと、
次のような方法が、国の立場では考えられますね。
方策1 法律を作って守らせる。
方策2 キャンペーンを展開し、モラルに訴える。
方策3 補助金を出す。
方策4 税金を課する。
方策5 温暖化ガスの排出に権利料を設定して、
コストをかけさせる。
また、権利の売買をさせる。
つまり、
1.法律による個別強制
2.お願い
3.援助
4.課税による懲罰
5.商品化
といったやり方で、国民に望む行動を
とらせることが可能になります。
以上の1,3,4は「アメとムチ」による
行動促進です。
直接的ですが、国を超えた全世界的なこころみを
しようとした時に、どうしても足並みがそろわず、
地球規模で効率よく成果を挙げられるかどうかは
判らない部分があります。
なお、2.は、道徳的には一番望ましい試みですが、
そのキャンペーンの運営コストはどこが負担するか、
という問題を解決するのに、非常に手間がかかりますし、
キャンペーンを展開しても、ある種のボランティアに
依存する部分があるので、効果のほどは未知数です。
そこで、逆説的ではありますが、
「CO2を排出してもいい権利」というものを商品化し、
各国に割り当てた目標以上に排出量を削減した国・企業
に、その分の努力を他の「達成できなかった国」に
権利としてゆずって、金銭的インセンティブを
あたえよう、というのが、京都メカニズムの
中心的な制度である「排出権取引」の趣旨なのですね。
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